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タケノコ生活の一人暮らし

「タケノコ生活」と言う言葉をご存知なら、あなたは昭和40年代より前に生まれた世代のはず。戦後の食糧難の時代に着物などと食糧を物々交換する暮らし向き。着ている服を脱いで食べ物を入手するのがタケノコの皮をむくようだから「タケノコ生活」。でもこれからお話しする「タケノコ生活」はちょっと意味合いが違っていて、一人暮らしの懐かしい思い出なのです。

高校生の時、自分は祖母と二人暮らしをしていました。両親がイタリアのローマに海外赴任していて、既に日本の高校に通っていた自分は1人日本に残ることになり、祖母と同居することになったのです。

祖母は毎年6月から2ヶ月程ローマに行くのが常でした。老人にローマの過酷な夏は応えるので、時期をずらして自分の両親の家に行くのです。当然、祖母不在の間は一人暮らしということになります。だから6月から7月の約2ヶ月間は毎年一人暮らしでした。

2ヶ月分の生活費をもらって自炊をするのですが、当時タワーレコードなどで輸入盤レコードを買い漁っていた自分は、お金が入ったことをいいことに後先考えずにレコードを気前よく買ってしまいます。後日、当然そのしわ寄せがやって来ます。米、味噌、油、醤油などは大丈夫ですが、食糧難がやって来ます。さて、どう凌ぐか。。。

幸いにして自宅の庭には食べられるものが大量に自生していました。ミョウガ、山椒、柿の木、フキ等々。柿の葉っぱは天ぷらに、フキは煮物に、ミョウガや山椒は家庭菜園の野菜とサラダに、などなど庭にある食べられそうなものは何でも食べました。

そして、最も食べ出があって僕の食生活を救ってくれたのがタケノコでした。自宅のそばの空き地にタケノコが群生していて、何本食べても食べ尽くせない程。高校生にしてタケノコのアク抜きをマスターし、タケノコご飯、若竹煮、焼きタケノコ、タケノコの天ぷら、タケノコのお味噌汁、タケノコのソテー…ありとあらゆるタケノコ料理を試しました。これが自分にとっての「タケノコ生活」、一人暮らしの懐かしい思い出です。

しかし、そうは言っても食べ盛りの高校生男子です。やっぱり肉が食べたくなりますよね。そこで閃きました。タケノコと物々交換だと。タケノコ料理は手間がかかるので、タケノコの水煮を近所におすそ分けすると大変喜ばれました。半ば押し売りだったと今では思いますが、近所の知人に「作りすぎちゃったので」とタケノコの水煮を持って行くと、「高校生の一人暮らしは大変よね」などと声をかけてくれて、お返しにお惣菜を分けてくれたりするのです。コロッケとか、鳥の唐揚げとか。タンパク質の恵が嬉しいことこの上なかったことを今でも舌が覚えています。

まあ実際の話としては、タケノコは大ぶりより小さい方が美味しいしアクも少ないです。大きく育ったタケノコは大味だし、茹でるのに時間もかかります。でも飢えた高校生の胃を満たしてくれた、あの巨大なタケノコは福音以外の何物でもありませんでした。

今でもタケノコ料理を作ると、タケノコ生活を思い出します。食と関連付いた記憶は本当に強烈ですね。こんな体験ができたことを本当に感謝しています。こんな理由でタケノコは自分にとって特別な食材なのです。

 旬なうちに~